addio

アッディーオ

精神

尊いということ

少し前に公園でシャボン玉おじさんを見かけました。車の助手席から見かけただけだったので、もしかしたらお兄さんだったかもしれません。そして公式にそう呼ばれている方だったかもわかりません。 夕焼けにさしかかるなかで、藤の絡むベンチや古い遊具の傍で…

本音

無意識のうちに選択され捨てられる。そのことが悲しいし腹立たしいし憎らしい。悔しい、とは思う。彼の立場を妬んではいない。死ねばいいのにとは思わない。ただひたすら腹が立つ。 私は絶望などしない。 今回よくわかった。昔から理解はしていたけど忘れて…

雑記

嫌われる勇気を持とう。 他人があなたをどう思うのかなんて、他人の課題です。 嫌われることを怖れて、あなたが自分らしく振る舞うことを止めてはいけません。 それは、自分の課題に他人を介入させていることになる。 あなたが幸せになる方法は、自分らしさ…

幻視と蝶々

私が中本道代さんの詩に惹かれるのは、二重の世界をしっかりと描いているからだ。文学界では「幻視」と分類されるのだろうか。幻のように立ち現れる世界の断片。いくつもの世界は玉ねぎのように重なっていて、それに気づかない人も、気づく人も、いろいろな…

光のほうへ

憎しみに支配されてはいけない。 そもそも、これっぽっちの憎しみが何だと言うのか。 学生時代、私はもっと憎んできた。私自身を。 もっと深い暗闇の中にいた。 それに比べたらこれくらいの憎しみも暗闇もなんてことない。 「忘れる」ことはできなくても、負…

感情と閃光

珍しく攻撃的になったり、悲しくなったり、憎しみの沼から這い上がれなかったりして、情緒不安定です。おくすりをのんでいるおかげである程度は安定していられます。 ただ正当な(私にとっては正当な)怒りが、鮮烈に背骨を走って、支えてくれている気がしま…

他者への期待と〈私〉について

他者に期待してはならない。 他者は決して〈私〉ではないし、〈私〉を理解しないし、〈私〉を知ることさえしないだろう(そういう誤解を与えることはあるとしても)。 期待するからこそ「裏切り」が生じる。裏切られた、と感じる。 生き延びたいのなら、他者…

剣と牙

身体性を持たない、現場を知らない、そう言われました。 その通りです。 私は大きな物語が終わってから生まれました。私が暮らすのは物語終演後のステージセットの中。 私に役割はありません。 私の行為が全体に寄与することはありません。私の行為が外部か…

ある男に関わる憎しみと無関心の話

憎しみを手放した瞬間、相手への気持ちはひどく冷たいものになる。相手のことなどどうでもよくなる、この「冷める」という感覚は、女性のほうが温度が低いと思う。凍り付くほどに。 - 洗脳された者が洗脳者へ向ける愛。それはもはや狂気だ。 - 手放した記憶…

繭のそと

友人と国立西洋美術館のルーベンス展に行く予定なので、二階堂奥歯『八本脚の蝶』の二〇〇三年一月二十八日(水)の文章を読む。 二年前の冬、知人と上野の国立西洋美術館で「死の舞踏」展を見てから、美術館内のレストランに行った。 (中略) 彼女は笑った…

椿

道路に落ちた赤い赤い椿の群れに埋もれてあなたは眠っていた。その白い貌と手足を剥き出しにして。あなた。あなたをもう一度見つけたとき、わたしがどんなに安堵したか、あなたは永遠に知らないままでいい。 (Twitterより)

無題

本が読めない。何も浮かんでこない。手が動かせない。詩を書けない。 苦しいと思う。悲しいと思う。 あなたはいってしまった。 いってしまったのだ。 〈あなた〉は家族でも友人でも恋人でも人間ですらない。 あなたはわたしのあいするひと、たいせつなひと、…

八月は残酷な月

八月が終わる。夏が終わる。夏の終わりには、胸を切り裂かれるような痛みが襲ってきた。いつだってそうだった。 北国の夏は短い。 秋は来たる冬(豪雪)に向けての序章のようなもので、冬とひとつづきの季節のようだ。 春はどの季節からも独立している。「春…

〈あなた〉を失うこと

あなたの存在に気付いたのは、わたしが成人してからでした。 あなたはわたしの庭で、遠浅の海で、銀色の湖で、苔むした森で、佇んでいました。踊っていました。歌っていました。 わたしにはあなたの声は聞こえないけれど、ずっと、姿は見えていました。 視界…

180709

光さす薄暗い空間 積み重なった祈りが 沈黙の中に満ち満ちている ここでは 祈り以外のものは必要ない 肉体は解け 意識のみとなり 天使の御声に耳を傾ける その歌声 縋りつく、という言葉を久しぶりに思い出した。単純に、今の状況があまりに苦しいので、誰か…

子どもとして/呪縛

多くの場合、小さな子どもには、親が大きな、偉大な、ほとんど神様のようなものに思えるということだ。大変な時にはいつでもそこに身を寄せることができるよりどころのように思えるということだ。 私は昔小さな子どもだったが、親をも、誰をも、そんな風に感…

写真に写せないもの

わたしはかつてそこに住み、沈黙が積み重なった、道路沿いの細長い牧草地があるのを、納屋のうしろから見たことがあった。突然、雄鶏の背後の草原に、静けさが盆のように積み重なっているのを見たのだ。その緑なす牧草の原は、あたりに均等に蒔かれた沈黙を…

薔薇とすみれ

レ・ファニュ『吸血鬼カーミラ』と伊藤裕美『カルミラ族の末裔』を続けて読みました。 どちらも女吸血鬼をモチーフにした小説です。 「あなたはわたしのものよ。きっとわたしのものにしてよ。わたしとあなたは、いつまでもいつまでも一つものよ」(『吸血鬼…

チューリップの花びら

チューリップという花の存在に齟齬を感じていたのは、いつからだったろう。たぶん成人してからだったと思う。 きっかけは食卓に飾られた赤いチューリップの花びらがつやつやとしたまま落ちて、その花びらがやけに色艶めいて見えて胸がどきどきしたこと。庭の…

花の代わりに祈りを

明日は二階堂奥歯さんの命日だ。 カレンダーに書いてある「奥歯さんの命日」という字。その存在感。 好きな本は多いけれど、『八本脚の蝶』は「好き」を通り越して「特別」なので、著者である彼女もまた私にとって特別な存在である。 数日前に祖母が倒れて入…

蝶の命日

弟の夢の話。 亡くなった祖父が出てきて「俺はもうすぐで死ぬ」と言ったという。 死者がもう一度死ぬことがあるのか。輪廻転生するという意味か。それとも納骨がもうすぐだから、そういう意味?(※雪深いこちらの地方では、雪解けしてから納骨するのです) …

ユニコーンとペガサス

昨日、とても素敵なカードが手元にやってきてくれた。 ライトワークスというオンラインショップで買い物をしたのだ。 そこでは買い物をした全員に、オラクルカードというポジティブなメッセージが記された美しいカードを、一人一枚、届けている。 その一枚は…

沖縄の話

沖縄に行ってきた。私にとって憧れの地であり、特別な場所でもある。 海が近く美しいのはもちろんのこと、沖縄は戦争の歴史が「近い」。そして神々の存在もまた、「近い」と感じる。目に見えないものが身近なのだ。 ユタ(カミンチュ)さんの存在はその象徴…

フランシスコの平和の祈り

主よ、わたしをあなたの平和の道具としてください。 憎しみのある所に、愛を置かせてください。 侮辱のある所に、許しを置かせてください。 分裂のある所に、和合を置かせてください。 誤りのある所に、真実を置かせてください。 疑いのある所に、信頼を置か…

二重写しの世界

すると、自分の知っている世界と重なって別の世界が視えてくるのだ。名もなく漠然とした暗い力を持つ領域、めったに目に映ることはないけれど、物語の中や詩の行間や人生で出くわしたときには、なぜかそれとわかる世界が。 (マキリップ『夏至の森』) 世界…

人形の結婚

ある地方には、人形を亡くなった若い人(子供)に見立て、独身であったなら、その人形を結婚させる風習がある。 それらの人形たちは人間そのものよりも生々しいだろう。人形は亡くなったはずの人間そのものを模しており、家族たちの並々ならぬ念が込められて…

食う話

家族で住んでいた一軒家に、少しの間一人きりで暮らすことになった。それほど料理が嫌いなわけでもないので、食費節約のためにも簡単な自炊をする。 テレビもつけずに沈黙の中で一人で食事をしていると、料理の材料となったたべものたちの気配、のようなもの…