addio

アッディーオ

現代詩

幻視と蝶々

私が中本道代さんの詩に惹かれるのは、二重の世界をしっかりと描いているからだ。文学界では「幻視」と分類されるのだろうか。幻のように立ち現れる世界の断片。いくつもの世界は玉ねぎのように重なっていて、それに気づかない人も、気づく人も、いろいろな…

私は考える人でありたいのか

木村孝夫詩集『私は考える人でありたい ―140文字の言葉たち―』が届く。 こちらの地方ではお盆の最後の日だ。この日にこの詩集が届き、読めたことは何が意味があるような気がしてくる。帰ってきた者が、どこかに戻っていく日。去っていった者の代わりに、この…

春の手

握りしめることも 小指をふれあわせることさえ できなかったその手が いまもわたしの瞼の裏側に刷り込まれている あなたの思ったとおりに そのようにいまもあって ( 永遠に出逢えないことを知っている それでも後悔できないのはなぜだろう 空洞は光で満ち …